令和8-10年度 文部科学省 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)
膜構造システム理論の創出:膜構造機能ユニットによる生命機能制御(略称:膜構造機能unit)

代表:加藤 孝信
細胞が独自の機能を磨き上げるために深化させた膜タンパク質巨大複合体を「膜構造機能ユニット」と位置付け、その形成機構を実験的に考察し、計算理論や人工膜再構成系と組み合わせることで、膜分子構造と密度情報のみから「巨大複合体構造」を推定する革新的な「膜構造システム理論」の構築を目指す。これにより「膜構造機能ユニット」を含む幅広い膜タンパク質複合体の本質的理解を可能にし、従来の理論体系から脱却した新たな生命現象へのアプローチを提案する。

体の左右決定をつかさどるノード繊毛(細胞のアンテナのような機能を果たす小器官)において張力センサー分子が偏在することなど (Katoh et al., Science, 2023)、膜分子の局所的な分布を超解像レベルで観察することにより、細胞には独自の生理機能を磨き上げるために進化した「膜構造機能ユニット」が存在することが明らかとなってきた。しかし現状「膜構造機能ユニット」の存在が認識されている細胞種は数える程しかなく、多くの場合ではその形成機構すら既存の学問体系で説明することが出来ない。
本領域では、従来の単一分子や数個の複合体を対象としてきた方法論から脱却し、膜分子集団を記述する新たなシステム理論の構築を目指す。
岡田 康志(理化学研究所 生命機能科学研究センター チームディレクター・東京大学 大学院医学系研究科 教授)
柳澤 実穂(東京大学 大学院総合文化研究科 准教授)
Syma Khalid (Professor, Department of Biochemistry, University of Oxford)
臼井 紀好(新潟大学 大学院医歯保健学研究科 教授)
村木 則文(石川県立大学 生物資源工学研究所 准教授)